夢創塾

小川の右岸を上る。

集落を外れると左手に丸山まるやま。その右手に荒戸谷あらとだん。川べりに止まったジープは釣り人か。糸を巧みに操り毛鉤を流す。フライフィッシングという釣り方らしい。目の前に朝日岳がいよいよ大きい。

発電所の前を通り、そのまま林道を上る。採石場のような場所を通り、小さな谷を渡ると、そこに村があった。村の向こうは、大きなダムだ。

夢創塾の画像

いくつかの小屋が点在し、動物も飼われている様子。夢創塾むそうじゅく長崎喜一ながさききいちさんが開いた山村文化を体験継承していくフィールドだ。炭焼き、紙漉き、縄ない、枝打ち、そば作り。山の暮らしにあったものは何でもここにある。すべてが手作りである。

炭焼きの様子

朝日岳あさひだけ(2418.3m)が一番きれいな場所に、最初の小屋を建てた。窓を開けるとまるで額縁のように四季の朝日岳に見える。その小屋の前に、露天風呂を作った。給食で使っていた鍋を薪で焚く。

山の幸、野の幸、そうしたものに支えられ継承された山村の暮らしがここで新たに作り上げられている。

対岸にあるのは、ハーバルバレーおがわ。ダム建設の際に整備された公園。ラベンダーの香りがここまで届きそうだ。

何かに使われるのか、切り揃えられた丸太の上で、むすびをひとつ。

対岸に渡るには、発電所の橋まで一旦下る必要がある。面倒なので、そのまま川を渡渉する。傾斜の激しい堤防を下り、浅瀬を探しながら川を渡る。時々、驚いたカモが飛び出す。河床の石には、ダムの放水場所によく見られるヒゲナガカワトビケラの巣がびっしりと張られている。15分ばかりで渡り切る。あ、そうか、ダムの放水があったらどうなったんだろう。ちょっと軽率だったか。